ムトウロトのブログ(仮)

このブログは私ムトウロトが手に触れた作品の感想や日々思う事などを備忘録めいてマイペースに綴るブログです。

山口恭平監督がパイロット監督になる日を私はずっと待っていた

12月26日。

クリスマスも終わり年越しが迫る中、特撮界隈を賑わせる一大イベントが起こる。

 

即ち、新戦隊の発表である。

 

今年も例によって12月26日早朝に新しい戦隊が発表された。

それが、魔進戦隊キラメイジャーである。

 

魔進戦隊キラメイジャー | 東映[テレビ]

 

 

 

モチーフは宝石+乗り物。

編成はオリンピックイヤーだから赤青黄緑黒…と思いきや王道の赤黄緑青桃。しかも女性グリーンが再びの登場。今後もどんどん増えていくのだろうか。

プロデューサーは塚田英明P。スーパー戦隊を手掛けるのはゲキレンジャー以来13年ぶりとかなり久々の登板。望月卓Pも名を連ねているけど彼の育成も兼ねているのだろうか。*1

そして脚本は荒川稔久氏。スーパー戦隊ではお馴染みのこの方もメインになるのはゴーカイジャー以来か。もうメインをやることは無い、みたいな事を言われてたけれど猛アプローチを受けたのだろうか?

 

色々と一気に発表されたが、私にとって最も注目したいはやはりこれであろう。

 

監督 山口恭平

 

きた!ついに来た!

ここ最近、個人的にパイロット監督就任を熱望していた山口監督が満を持してパイロット監督に就任したのである。

それだけに初報を見たときはまだ朝6時前だと言うのに大声で「よっしゃあ!!」と叫んで隣から壁ドン食らってしまった。それ程私にとっては嬉しい出来事なのである。

 

 

さて以前、当ブログでパイロット監督を予想していた。

rokuichimaru-mutoh-roto.hatenablog.com

 

↑の記事において誰が次の戦隊のパイロット監督を担当するのか、監督ローテーションを主な根拠として予想。その中で特に可能性が高い人として山口監督を予想していたがこれが見事に的中したわけである。

ただ、先の記事を書いていた時点で「次のパイロット監督は山口監督だ!」と、私は確信に近い思いでいた。

後だしも甚だしい主張ではあるがどういった理由から山口監督が次の戦隊のパイロット監督だと思っていたのか、ここに理由を挙げてみたい。

 

 

  • 火薬(爆発)

山口監督の演出上の特徴として「よく火薬を使う」ということが語られている。

 

CG技術の発達に伴い、劇中で発生する爆発が全てCGで表現される回が時代を重ねるごとに増えていった。そんな中で山口監督は火薬を使った本物の爆発にこだわっており、自身が担当した組では最低でも一回は火薬を使った爆発を行っている。

本物の爆発にこだわるという点では坂本浩一監督と似ているが山口監督は坂本監督以上に凝った、より「画になる」爆発演出を取り入れたりすることが多い。*2

 

さて、爆発がどう影響するんだという話であるがスーパー戦隊は必殺技を決めたときは勿論、名乗り口上や巨大戦など仮面ライダー以上に爆発する機会が多い。となれば、爆発に定評のある山口監督の持ち味が仮面ライダーの時以上に存分に発揮できるというわけである。それこそ名乗りだけで敵を倒せるんじゃないかという文字通りぶっ飛んだ爆発をするんじゃないかと今から期待をしてしまう。*3

 

 

  • キャラを盛る

仮面ライダーエグゼイドに登場した檀黎斗。エグゼイドを見てきた方々であればどういう人物かお分かりいただけるだろう。*4

そんな檀黎斗、当初はもっと大人しいキャラだったらしい…が、山口監督の演出により大いに弾けたキャラになった。エグゼイドを知らなくても聞いたことはある、と言われているらしい「宝生永夢ゥ!」のくだりはその最たる例であろう。

 

仮面ライダースーパー戦隊も基本的に子供番組なので子供たちに分かりやすいようややオーバーな演技が求められている。*5そして戦隊はライダーと比べて対象年齢が低めに設定されておりオーバーリアクションな演技という需要がライダー以上にある。

檀黎斗に限らず、山口監督は時々オーバーなキャラ付けをすることがあるがこういった面でも山口監督の演出は戦隊向きであると言えよう。

 

 

以上、演出面から山口監督がパイロット監督を担当するだろうという理由を述べた。

改めて見ると確かに山口監督の演出はライダー以上に戦隊に向いており、それを考えれば今回のパイロット監督就任も納得…と言いたいところだが、それだけならばわざわざパイロット監督をやらずとも戦隊に異動すれば良い話である。

では何故今このタイミングで山口監督がパイロット監督を担当したのか、それは以下の点が大きいのではなかろうか

 

ここ最近のスーパー戦隊パイロット監督を見てみると、

 

2018年、ルパンレンジャーVSパトレンジャーを手掛けた杉原輝昭監督。

2019年、リュウソウジャーを手掛けている上堀内佳寿也監督。

そして今回の山口監督。

この三人にはある共通点がある。それは、

 

仮面ライダーの助監督としてキャリアを始めた人達

 

という点である。

山口監督は仮面ライダー龍騎(2002)、杉原監督は仮面ライダー555(2003)、上堀内監督仮面ライダーキバ(2008)から現場に入り、助監督としてキャリアを積んだ後に本編監督デビューを果たしている。*6そこからローテーション要員を経て、*7杉原監督がルパパトで、上堀内監督リュウソウジャーでパイロット監督デビューを果たしている。

 

このように仮面ライダー出身の監督が近年のスーパー戦隊パイロット監督デビューする流れが出来上がっている今、同じ仮面ライダー出身の山口監督が戦隊でパイロット監督デビューしないでいつするのか。もはやこれは必然と言ってもいい。

 

 

発表直後から山口監督の登板に関しては好意的な意見が大勢を占めている。キラメイジャーがどんな作品になっていくかは分からないが山口監督がパイロット監督をやる以上、期待外れなんてことは無いだろう。来年の楽しみが一つ増えたぞ…!

 

*1:望月Pは2017年、当時31歳の若さで宇宙戦隊キュウレンジャーのチーフPを担当するものの、後に「反省しかない」と述べる程の不振に終わってしまった

*2:少々語弊のある言い方になってしまったが坂本監督の爆発は王道的な意味で「画になる」いっぽう、山口監督のそれは今までに見られなかった変化球的な意味合いでの「画になる」爆発だったりする。この辺はVシネマ仮面ライダークローズ』を見てもらうと分かりやすい

*3:爆発に定評のある戦隊というと火薬科学戦隊ダイナマンが有名であるが一度山口監督にダイナマンを撮ってほしいという願望がある。あの人がダイナマン撮ったら名乗り口上だけで最終回レベルの爆発を起こしてもおかしくない…気がする

*4:分からないという人は仮面ライダーエグゼイドの視聴を推奨する。彼のキャラはここでは語りつくせない

*5:そしてそれが染み付いて中々抜けずに苦労する、というのは特撮出身俳優あるある

*6:それぞれ、山口監督は仮面ライダーフォーゼ(2012)で、杉原監督は動物戦隊ジュウオウジャー(2016)で、上堀内監督仮面ライダーエグゼイド(2017)で本編監督デビューしている

*7:山口監督は仮面ライダードライブからローテーション入りしている一方、杉原監督や上堀内監督はそれぞれデビューした作品(ジュウオウジャーとエグゼイド)にてそのままローテーション入りしている