三姉妹と穴掘り野郎共の物語~ギジレン本公演『土木座』感想のようななんか~
※注意
この記事には作品に関するネタバレが含まれています。ネタバレが嫌な人は直ちにブラウザバックすることをお勧めします。
1月3日。
このまま実家でゴロゴロするのもいけないな…そろそろ戻るか、なんて思ってた矢先。TLにこんなツイートが。
こういうのじわじわ嬉しくなる!
— どん🍚 (@donpa_) 2020年1月3日
どわーーーー
全ファクタァ集合してください https://t.co/p4CRSFOFj4
何!?どんちゃん新年早々舞台出るのか!?
TLで稽古していることは言っていたけど1月頭にやるとは…!
というわけでその場で予約して翌1月4日夜の部を観劇することに。
当日午後6時10分ごろ。会場に到着すると…
めっちゃんこ人がいる 。
開場を待つ人でかなりの行列を成していたのだ。
当方、ギジレンの名前は聞いたことがあれどどんな規模の劇団なのか全く知らなかった。なのでこれほどの人が集まる人気劇団とは予想外だった。ちなみに並ぶのが嫌だったので30分くらい周辺をウロウロしていた。
チケット代を支払い客席へ向かうとほぼ満席。一番奥の、それも端っこくらいしか客席が残ってなかったのでそこに着席。
さぁ前説が始まったぞ。でも何やら押してるっぽい。
その辺もネタにしつつ前説を続けていたら…そのまま暗転。
まさかの時間切れである。
そして明転すると、さっきまで前説してた人が役になりきってる。
「プロだ…!」と感心すると同時に「出オチじゃねーか!w」とセルフツッコミ。
開幕早々、会場は笑いに包まれた。
お話はざっくり言うと村に残った長女、都会に出た次女、ローソンの無い所を目指した三女がそれぞれ土木座を名乗る穴掘り集団と出会ってなんやかんやする…というもの。
事前知識はゼロ、おまけにパンフレット貰い忘れたもんだから登場人物の名前がさっぱり分からない!
…けど心配はいらない。名前が分からなくても話は入ってくるし、なんなら土木座の面々は一部を除き名称不明である。
で、肝心の物語はどうかと言うと。
大の男たちが凄まじいテンションで大盛り上がりする。
これで3分の2くらいは占めている。
何しろ、土木座の面々は初登場直後に声を張り上げて歌いだすのだ。
舞台上からこれでもかと浴びせられる熱気に自然と観ているこちらも昂ってしまう。
そんな土木座に三姉妹は振り回される(三女は振り回されてない)のだが、彼らと触れ合う中で三姉妹は土木座が穴を掘る理由を知っていく…
この物語の主役は三姉妹(だと私は考えてる)。それぞれが物語の中でどう動いたのか。
長女は当初、土木座を忌み嫌っていた。しかし土木座と触れ合う中で受け入れてゆき、最終的に彼らがいなくなった後一人シャベルを握っていた。
次女はひょんなことから土木座を手伝うことになり、その中で自らの夢を思い出す。夢を叶えた次女は故郷を目指す土木座の後押しをすることに。
三女は他の二人とは少し事情が異なってくる。
各地を放浪としながら念願のローソンの無い町にたどり着く。そこで出会った一人の少年と仲良くなるも、彼は土木座と出会うことで変わってしまう。時に少年を説得し、時に土木座をねじ伏せたりしつつも彼女が行き着く先は…
結論を言ってしまうと、最終的に三女は姉二人と決別する。
長女は一人シャベルを振るい、次女は土木座にさよならを告げたのちに村に戻ってくる。
そんな中三女は村には戻らないと決め、土木座の物語は幕を閉じる。
この辺り何の余韻もなくそのまま終わってしまうので、終始テンション高めで明るい物語がややビターエンドで終わるという形になっている(決して悪いことではない)。
…書いててどんちゃんのこと全然触れてねぇじゃねーか、というわけでどんちゃんin土木座について。
何気にどんちゃんが素面でお芝居する姿を見るのは初だったりする。
どんちゃんが演じたのは次女が出会った土木座の紅一点。その正体は勉強が嫌で家から抜けだした家出少女。
野郎だらけのあの環境下で臆することなく穴掘りに興じた、というのはそれほど穴を掘るのが楽しかったのだろうか。そして誰も手を出そうとしなかった辺り土木座の人達は実は聖人なんじゃなかろうか
今回観て改めて思ったがどんちゃんは喜怒哀楽の表情が実に上手い。素面だからより一層それが分かる。
一挙手一投足に至るまできちんと役を理解しかつそれを演じ切るのだからお見事である。胆力もあるし、この公演でさらなるレベルアップをするのは間違いないだろう。それでもシークのモノマネはどうにかならかったみたいだが
#土木座
— ムトウロト (@6mutoh1roto0) 2020年1月4日
観てきました。ほぼ全編にわたって笑いの絶えない作品でした。こういう作品はキャストも生き生きしていて観ている側も生き生きしてくるので良いですね。観終わって第一声が「ケツ痛てぇ」なのは内緒。
Twitterでも述べたけど、こういう基本明るい作品は自然とキャストが生き生きした表情になる。そしてそんな作品を観ている我々も自然と生き生きとした気分になってくるのである。
2020年最初に観た舞台がこれで本当に良かったわー。
この作品に出会えたのは紛れもなくどんちゃんのおかげ。この場を借りて感謝いたします。
さて、色々まとめ切れていないけどこの辺でお開きにしよう。
忘れないうちに感想書こうってんで深夜になってしまったからね。